小売店の客単価

小売店が客単価を上げるには?経営に役立つPOS活用法を紹介

小売店が経営を成功させるためには、経営指標を因数分解して考えることが大切です。

売上や経費など事業計画上の大きな数字だけに着目しているだけでは、具体的に何をどうしたらよいのか方策がなかなか見えにくいと思います。

例えば店舗の売上高という数字は、客単価と顧客数のかけ算で構成されます。

売上アップの方法を漠然と考えるよりも、「なぜ客単価が低いのか」「どうしたら顧客数を上げられるのか」というように経営指標を深堀して対策を検討したほうが課題が明確になり、現実的に取り組む施策が具体化できます。

小売店オーナー小売店オーナー

それでは小売店が客単価を上げるためにはどうしたらよいのでしょうか?かんたんで分かりやすく具体的な方法を教えてください。

経営コンサルタントコンサルタント

まずは現状の数字を確認するところから始めましょう。タブレットPOSレジを導入すればお店の売上(POSデータ)が自動的に集計されるので、客単価を一目で把握することができるようになります。

業種による違い
  • 基本的にはどのような業種においても「顧客数」×「客単価」=「売上」という計算式が成り立ちます。
  • 一部の飲食店ではテーブル会計という考え方があるため、テーブル単価に着目する場合があります。
  • サブスクリプション型のサービスを提供しているサービス業では、契約の継続を重要視するためLTV(ライフタイムバリュー)に着目する場合があります。

特に小売店では、「顧客数」はお店の立地場所に大きく左右されますが、「客単価」はお店が取り組む施策によってある程度コントロールできるため改善しやすいと考えられます。

POSレジで収集したPOSデータを分析および活用して、具体的な改善施策に取り組んでいきましょう。

【小売店の経営者向け】客単価の基礎知識と仕組み

ここでは一般的な客単価の意味や重要性、小売店が客単価を重要視するべき理由を解説します。

手作業で客単価の計算するのは煩雑なため、タブレットPOSレジという便利なツールを使って効率的に店舗の客単価を把握する方法も一緒にご紹介します。

客単価は小売店を経営するうえでは非常に重要な指標であり、その意味や重要性を理解して最新の情報を把握することは経営力の向上につながるでしょう。

客単価の意味や重要性

一般的に客単価とは、お客様が一度のレジ会計で支払う平均額を意味します。

これはあくまでも購入された金額を顧客数で平均した値であり、返品やキャンセルなど購入されなかった会計金額は含みません。

たとえばAさんがノート200円とペン500円を購入し、Bさんが消しゴム300円を買ったとします。

この場合の計算式は、(200円+500+300円)÷2であり、客単価は500円となります。

客単価を計算する際の注意点

客単価を計算する際には、売上合計金額を顧客数で割るという点にご注意ください。複数の商品を購入した場合でも客数は1人としてカウントされます。購入数や注文数ではなく客数で割るようにしましょう。

客単価は経営を行う上での重要な指標なので、しっかりと把握しておくことが大切です。

店舗を経営するうえで客単価が重要な理由には以下のようなものがあげられます。

店舗経営において客単価が重要な理由
  • 経営改善:客単価を分析することで、お店が抱えている課題を明確にすることができます。自社の課題を洗い出すことができれば、経営改善の取り組みが行いやすくなります。
  • 売上アップ:店舗の売上は、顧客数と客単価のかけ算で構成されます。お店の客単価を把握して、客単価を上げる施策を行うことで売上拡大が実現できます。
  • マーケティング強化:客単価を理解することは、お客様を理解することでもあります。実際にお店に足を運んでくれるお客様がどのような客層なのか理解することは店舗マーケティングの本質です。
  • リピート顧客の獲得:高価な商品やサービスを提供することで、顧客のロイヤルティを高め、リピーターを増やすことができます。
  • 店舗競争力の向上: 高付加価値な商品やサービスを提供することにより、他店との差別化を図り競争力を高めることができます。

上記の通り、ビジネスにおける「売上」は「顧客数」✕「客単価」で計算されます。

つまり売上アップを実現するためには、顧客数を増やすか、客単価を上げる必要があるというわけです。

とはいえ多くの中小店舗にとっては、新規顧客を獲得するための広告やチラシにかけられる予算は限られていると思います。

また立地条件に左右されやすい「顧客数」という指標よりも、「客単価」のほうが現実的に改善に取り組みやすいといえるでしょう。

小売店が客単価を重要視するべき理由

小売店が経営を成功させるためには、客単価の分析とデータ活用が欠かせません。

飲食業やサービス業などの他業種と比べて、小売店というでは客単価の取り扱いが特に重要である、と言われています。

以下に小売店が客単価を重要視するべき主な理由をご紹介します。

小売店が客単価を重要視するべき理由
  • 商品の価格帯の幅が広い:小売店では商品の価格帯の幅が広く、高額な商品から低額な商品まで販売することが一般的です。そのため客単価の向上によって、高価格帯の商品の売上が増加し、全体的な収益を伸ばすことが可能になります。
  • 顧客ニーズの多様性:飲食業やサービス業では比較的限られた種類の商品やサービスを提供していますが、小売店ではさまざまな種類の商品を販売しており、お客様のニーズも多岐に渡ります。そのため、小売店では多様な顧客ニーズに合わせて幅広い価格帯の商品を提供し、客単価を最適化することが成功の鍵となります。
  • 客数に対する依存度の低さ:飲食業やサービス業では客数が業績に直結するケースが多いですが、小売店では客単価の向上によって収益を増やしやすい傾向にあります。そのため客数に左右されずに経営を安定させるためには客単価の取り扱いが重要となります。
  • 顧客ごとの購買力の影響小売店では顧客の中に高い購買力を持つ人もいれば低い購買力を持つ人もいます。購買力の高い顧客からの収益を最大化して客単価を向上させることができれば、顧客ごとの購買力による影響を緩和し、経営の安定化につながります。
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もちろん飲食業やサービス業においても客単価は重要な指標ですが、長期的にお店を支えてくれるという意味で「顧客のリピート率」が重要視されることが多いと思います。

もちろん客単価という平均値のみを追いかけていても、経営がうまくいくとは限りません。

しかし、客単価という数字をないがしろにしたまま小売店の経営が成功することはないと思います。

小売店が客単価を効率的に把握する方法

小売店が客単価を効率的に把握したいなら、タブレットPOSレジを導入することをおすすめします。

タブレットPOSレジを使ってレジ会計を行えば、お店の売上や客単価が自動的に計算され、一目で把握できるようになります。

タブレットPOSレジとは
  • タブレットPOSレジとは、iPadなどタブレット端末で使えるPOSレジのアプリのことです。
  • 従来のキャッシュレジスターとは異なり、レジ会計以外にも売上管理機能や顧客管理機能など店舗経営に役立つ機能を多く備えています。
  • 小規模店舗を中心に小売店や飲食店、サービス業などさまざまな業種で広く活用されています。

タブレットPOSレジの導入を推奨する主な理由は以下の通りです。

タブレットPOSレジをおすすめする理由
  • 低コストで始められる。インターネット環境さえあれば申し込むプランによっては無料で始められるため、中小の店舗が導入しやすいのが特徴です。
  • 初心者にも使いやすい。売上や客単価の推移などの数字も自動的に集計されて分かりやすいグラフで表示されるので初心者の方でもすぐに使い慣れることができます。
  • リアルタイムにデータを把握できる。キャンセルや返品を含めてリアルタイムにお店の売上データを確認することができます。毎月の締め作業を待つ必要はありません。
  • 高度なデータ分析が可能。購入したすべてのお客様の客単価はもちろん、ターゲット客層やカテゴリ別に客単価などのデータを細かく分析することができます。期間指定フィルタをかけて前月比較することも可能。
  • 客単価を上げる機能が豊富。タブレットPOSレジは従来のキャッシュレジスターとは異なり、客単価アップやリピーター獲得など店舗の経営に役立つ機能が豊富に備わっています。

タブレットPOSレジを導入すれば、お店の売上や客単価などのPOSデータを効率的に把握・分析できるようになります。

また、タブレットPOSレジにはお店のPOSデータを自動計算するだけでなく、スタッフのシフトスケジュール調整機能や在庫管理機能など業務効率化に役立つ機能がたくさん備わっています。

店舗の業務効率化や客単価アップを実現したいなら、タブレットPOSレジの導入してみてはいかがでしょうか。

小売店が客単価を上げるための基本的な考え方

ここでは小売店が客単価を上げるために必要な考え方や方針について解説します。

お店の販売する商品によって取り組むべき施策は変わってくるかもしれませんが、経営を成功させるための基本的な原則は同じです。

店舗の客単価を引き上げるための本質を理解して、経営力を向上させましょう。

ターゲット客層の客単価を上げる方法を優先的に検討する

お店に来店するすべてのお客様の客単価を上げようとするのではなく、お店がターゲットとする客層の客単価を上げる方法について優先的に検討しましょう。

具体性の違いはあるとはいえ、小売店は特定の顧客層をターゲットに設定して、その顧客層が好む商品を販売するのが一般的です。

つまり、小売店はそのターゲット客層向けの商品を仕入れて販売しているので、そのターゲット客層の客単価を上げるのが最も取り組みやすく実現しやすいと思います。

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たしかにターゲット客層の客単価を上げる方法のほうがイメージしやすくなりますね。客単価というとお店に来てくれるお客様全員を対象とするものだと思い込んでいました。。。

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経営戦略が具体的であれば、実際の現場で取り組みやすく、成果を出しやすいと思います。一方で、あいまいな戦略では具体的な成果が得られません。

もちろん最初からすべての客層の客単価を引き上げることができれば素晴らしいことですが、現実的にはなかなかそうはいきません。

お店の売上の大半を占めるであろうターゲット客層の客単価を上げることができれば、お店全体の客単価を引き上げることができます。

もし自店のターゲット客層がはっきりしていない場合には、具体的に設定することをおすすめします。

客単価アップの施策には優先順位をつけて取り組む

客単価を上げるための施策を洗い出したら、優先順位をつけて1つずつ取り組んでいくことが重要です。

客単価アップのためには、期間限定セールやSNSによる集客など、さまざまな施策が考えられると思います。

施策に優先順位をつけて1つずつ取り組み、何がうまくいって何がうまくいかなかったのか都度確認して知見を得ましょう。

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1つ1つ確認しながら進めるのはなんだかまどろっこしいですね。。。絶対に成功する手法みたいなものはありませんか?

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残念ながらお店の状況はそれぞれ違うのですべてうまくいく万能の薬はありません。とはいえ客単価アップのためのセオリーはありますのでぜひ試してみてください。

一度にあれもこれも一緒に施策を実施してしまうと、何が理由でうまくいったのか分からなくなってしまい、成功事例を再現できなくなってしまいます。

特に小売店の場合には、販売する商品が多いので1つでも客単価を上げる取り組みの知見を得られれば、異なる商品に成功例を横展開ができるので長期的な経営力のアップにもつながると思います。

小売店が客単価を上げる具体的な方法

ここでは小売店が客単価を上げる具体的な方法について解説します。

客単価を上げるためにはさまざまな手法が提唱されていますが、特にPOSデータで収集した売上データを活用した具体的な方法を詳しく紹介します。

買い物かごを使ってもらう

小売店が客単価を上げるためには、お客様に買い物かごを使ってもらうようにしましょう。

具体的には店舗の入り口に買い物かごを設置するか、お客様が来店したら買い物かごを手渡すことを推奨します。

理由は単純に買い物かごを使ったほうが、手で持てる商品数よりも多くの商品をレジカウンターに持ち込めるためです。

人は店内で買い物かごを持つと心理的な買い物モードのスイッチが入り、購買意欲が高まるといわれています。

例えばアメリカのウォルマートでは、かごを持つ人が持たない人の4倍もの商品を購入するというデータがあり、店内に従業員を配置して挨拶をしながらショッピングカートを渡す工夫を実践しています。

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販売する商品によっては状況は違うと思います。どのようにして買い物かごを活用する前後で客単価が上がったかどうかを調べることができるのでしょうか?

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タブレットPOSレジを使えば、買い物かごを使っているお客様と使っていないお客様の売上を分類して集計できるので、客単価を比較することができます。

買い物かごは店舗の入り口に置いておくだけでなく、お客様が取りやすいように取っ手を向けて、傾けて積み上げておくと良いでしょう。

店舗スタッフが手渡しするなら、お客様に無理に押しつけるのではなく、挨拶を兼ねておもてなしの一環として提供することが重要です。

タブレットPOSレジを使えば、買い物かごの利用有無別の客単価を分析することが可能です。

タブレットPOSレジを導入して、売れる店舗づくりを実践していきましょう。

商品陳列を改善する

小売店が客単価を上げるためには、商品の陳列やレイアウトを工夫して、お客様の購買意欲を高めましょう。

特に中小店舗の小売店では、お店で一番人気のある商品を中心に商品の並べ方を考えることをおすすめします。

一番人気の商品をお店のゴールデンラインに陳列するなど、お店のベストセラー商品を中心に陳列配置を行えば、他の商品も一緒に購入される可能性が高まります。

ゴールデンラインとは
  • ゴールデンラインとは、お客様が最も見つけやすく手に取りやすい商品棚の場所のことです。
  • ターゲット客層の胸の高さに陳列されている商品の売れ行きが最も良くなる、というのが商品陳列の基本的な考え方です。
  • 一般的には床から約80~140cmとされることが多いですが、この高さはターゲット客層の身長によっても変わります。
  • 同義語としてゴールデンゾーンやゴールデンゾーンなどの言葉があります。
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お店で最も売れている商品はどのように確認したらよいですか?季節ごとの人気商品や流行によって違うと思うのですが。。。

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POSレジの商品別分析機能を使うことでお店での売れ筋商品を一目で確認することができます。絞り込み条件を指定できるので、季節ごとやターゲット客層ごとの売れ筋商品も分かります。

特に狙いを持たずに商品をただ棚に並べているだけでは、お客さんが商品を見つけにくくなったり、滞在時間が短くなる可能性があります。

また商品の陳列方法には、垂直陳列や水平陳列、島陳列など多くの手法が存在しますが、商品の売れ行きによって最適な陳列方法を選ぶのが効果的です。

タブレットPOSレジを使えば、客層別や商品別の売上分析を簡単に実現できます。

タブレットPOSレジを導入して、最適な商品陳列を行い、売りやすく買いやすい店舗レイアウトを実現していきましょう。

同時購入されやすい商品の組み合わせを販促する

小売店が客単価を上げるためには、これまで同時購入された商品の組み合わせをPOSデータから分析することが役立ちます。

多くの場合、小売店で買い物するお客様は「自分の欲しいものリスト」を持っているわけではなく、お店で良さそうな商品を見つけて買うのがほとんどだと思います。

一緒に購入されやすい商品を近くに陳列したり、セット商品としてキャンペーンを実施することで、お客様にその組み合わせを購入してもらいやすくなります。

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どのようにして一緒に購入されやすい商品の組み合わせを特定することがきるのでしょうか?すべてのお客さんに質問するわけにもいかないですし。。。

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POSデータを分析すれば、一緒に購買されやすい商品の組み合わせを特定することができます。これを併売分析(またはバスケット分析)と呼びます。

併売分析とは

併売分析とは異なる商品やサービスが一緒に購入される傾向や関係を分析する手法です。主に小売店やサービス業で利用され、同時購入されやすい商品の組み合わせを理解するのに役立ちます。

小売店における併売分析の具体的な事例としては、「おむつとビール」の事例が有名です。

これは1992年にアメリカのドラッグストア「Osco」がPOSデータを分析したところ、「金曜夕方、3040代の男性客がおむつとビールを同時に買うケース」が多いことを発見したというものです。

同時購入されやすい商品の組み合わせを販促する手法は、リアル店舗だけの話だけではなくネットショップにおいても活用が可能です。

一緒に購入されやすい商品画面を横に並べて配置したり、セット商品として販売することで同様の成果を期待できます。

タブレットPOSレジを使えば、同時購入されやすい商品の組み合わせが分かるようになります。

タブレットPOSレジには小売店の経営に役立つ機能が豊富に備わっているので積極的に活用していきましょう。

まとめ買い割引を活用する

小売店が客単価を上げるためには、まとめ買い割引(ボリュームディスカウント)を活用しましょう。

小売店ではさまざまな種類を販売していると思いますが、定期的に購入するような消費財や、色違いで購入することが想定されるような商品にはまとめ買い割引を提案することによって客単価を上げることができます。

最寄り品や買回り品、専門品など購買方法による商品分類にとらわれずに、実際の店舗の売上データを分析して、複数点数まとめ買いされている商品を見つけることをおすすめします。

小売店における購買方法による商品分類
  • 最寄品:日常的に使用する商品で、自宅や職場などの最寄りの店舗で購入する商品のことです。最寄品は購入頻度が高く、単価が安めであることが特徴です。(お菓子やトイレットペーパーなど)
  • 買回り品:いくつかの店舗を見て回って、比較検討してから購入するような商品のことです。買回り品は購入頻度が低めで、単価が高めであることが特徴です。(洋服や家電製品など)
  • 専門品:オリジナルのブランド品や専門性のある指名買いされる商品のことです。専門品は販売している店舗が限られ、単価が高めであることが特徴です。(時計や高級ブランド品など)
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うちのお店の中でまとめ買いされている商品はどのように確認したらよいですか?季節ごとの人気商品や流行によって違うと思うのですが。。。

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POSレジの売上分析機能を使うことでお店での売れ筋商品を一目で確認することができます。絞り込み条件を指定できるので、季節ごとやターゲット客層ごとの売れ筋商品も分かります。

特に中小規模の小売店が価格勝負を挑まれると、大手企業やAmazonなどのネットショップには到底かないません。

そこでターゲット顧客の客単価を引き上げるためにボリュームディスカウントを上手に活用した販促活動を行いましょう。

タブレットPOSレジの売り上げ分析機能を使えば、いままでお店でまとめ買いされてきた商品が一目で把握することができます。

百聞は一見に如かず、という言葉があるように、机上の空論を検討するよりもぜひ実際にお店の売上データを分析してみることをおすすめします。

商品の使い方や組み合わせを提示する

商品をただ並べるだけでなく、商品陳列と一緒に商品の使い方をアピールすることで、販促効果を高めることができます。

この方法は販売する商品や組み合わせによって効果的な見せ方が異なります。

以下に具体例をご紹介します。

商品の使い方や組み合わせの提示例
  • 衣料品店:季節やトレンドに合ったファッションアイテムをマネキンやスタッフの着こなしで提案します。全身のコーディネートを壁にかけてディスプレイするのも効果的です。
  • 食料品店:旬の食材や調味料を使った美味しい料理の作り方をレシピカードを交えて紹介します。スタッフのおすすめ調理法、というように親近感をアピールするのもも効果的です。
  • 家具店:おしゃれな配色や間接照明などを使って家具やインテリア雑貨をコーディネートします。お客様が自宅でも真似したくなるような見せ方が重要です。
  • 電化製品店:家電製品やデジタル機器の使い方や機能の解説、最新テクノロジーを紹介します。特に男性客はスペックにこだわる傾向があるので具体的な数字や単位を明記することが大切です。
  • 書店:一生に一度は読むべき本、というように同じカテゴリの本をランキングにしたり、口コミや似た作画の漫画を提示しましょう。また、同じ著者の小説の読む順番を紹介するのもおすすめです。
  • 化粧品店:鏡を使ったメイクアップレッスンやスキンケアのアドバイスが効果的です。サンプル品を置いてお客様自身で試せるようにするのも良いでしょう。
  • 薬局:季節の諸症状の対策方法や、洗顔料など基礎化粧品の正しい使用方法を説明します。使い続けたらこうなった、という効果を写真の前後比較などで分かりやすく示すのがおすすめです。
  • 雑貨店:商品の便利さを交えて活用方法を説明します。お客様にプレゼント目的で購入して頂くために、おもてなし感を演出する「商品の使い方カード」を用意するのも効果的です。
  • スポーツ用品店:初心者がマラソンに挑戦するならこのシューズ、というように種目別に最適な商品を紹介します。また、プロテインやアミノ酸などのサプリは効果や摂取タイミングなどを解説しましょう。
  • おもちゃ屋:プラモデルやレゴなど組み立てて作る商品は作り方のコツとともに完成品を展示するのがおすすめです。カードゲームなどみんなで楽しむはおもちゃは分かりやすいルールの解説をしましょう。
  • ペットショップ: ペット用品やペットフードの説明を交えてペットの飼育方法をアドバイスしましょう。こんなことありませんか?というように、よくある悩みから解決策を提示するのが効果的です。
  • アウトドア用品店: アウトドア用品やキャンプグッズは文字よりも写真を多めにPOPを作って、使い方を提示しましょう。お店の近隣キャンプスポットを一緒に紹介するのもおすすめです。
  • 花屋:アレンジメントの仕方や園芸用品の使い方を解説しましょう。初心者向けに誰でも簡単にできることやフラワーアレンジメント教室に通わなくても楽しめることをアピールするのがおすすめです。
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「この商品がお得です!」とか「店長のおすすめ商品はこちら!」というPOPばかり作ってしまい、もっとお客様の立場に寄り添って考えたいと思っていました。。。

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小売店では商品の価格を訴求するのではなく、商品の価値をアピールするとよいでしょう。商品を使ったときに何が嬉しいのか、どう楽しめるのか、というようなイメージです。

自分のお店で販売している複数の商品を組み合わせた使い方を紹介することで、複数商品を一緒に買ってもらえるようになります。

最近ではInstagramやブログなどSNSを活用して、商品の使い方を紹介する記事を掲載する方法も有効だと思います。

POP広告を活用する

POP広告は小売店が客単価を上げる方法の一つとしてとても効果的です。

POP広告とは

POP(ポップ)広告とは「Point of Purchase advertising(購買時点広告)」の略で、店頭や売り場に設置されている広告や展示物のことです。商品のプライスカード・ポスター・店頭看板・のぼりなど、形・大きさ・素材は用途によって異なります。

POP広告を効果的に使えば、客単価を上げるだけでなく、お店の集客力を高めたり、店内の雰囲気を変えたり、商品説明の人手不足を解消することもできます。

POP広告には店頭看板や値札カードなどさまざまな種類があり、それぞれに最適な設置場所や効果的な使い方があります。

以下にPOP広告の効果的な設置場所や活用例をご紹介します。

目的別のPOP広告活用法
  • 集客数を増やしたい場合:店頭看板やのぼりなど大きく目立つ広告を設置すると効果的です。大型のPOP広告をお店の外に設置することで、店先を通りがかった人に来店を促すことができます。
  • 店内の雰囲気を演出したい場合:ポスターやタペストリーなどを設置すると良いでしょう。季節やイベントに合わせた店内の雰囲気づくりや、どこにどの商品があるのか商品の陳列場所を示すためにも役立ちます。
  • 特定の商品をアピールしたい場合:商品説明や値札カードを商品まわりに設置するのが効果的です。POP広告が商品の説明を代わりにしてくれるので、店員の人手不足を補うのにも役立ちます。
  • 商品の買い忘れを防ぎたい場合:レジ前やレジ横にスイングPOPやアイキャッチャーを置くのがおすすめです。あくまでもレジ前訴求はついで買いの適した方法であり、高額商品の宣伝は避けましょう。
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最近では黒板にチョークで人気商品を手書きしたり、マーカーで手書きした商品説明カードを使うことが多いです。。

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ベタな方法ですが「ランキング1位」や「期間限定」というキーワードに弱いお客様は多く存在します。POP広告を使って購買意欲を後押ししましょう。

ただしPOP広告を店内に置きすぎてしまうと、お客様の買い物気分を損なったり、お店のイメージダウンにつながる可能性があります。

一言でいえば、過剰な広告は逆効果になってしまう恐れがあります。

お店のコンセプトに合った内容のPOP広告をバランスよく効果的に配置しましょう。

ポイントカードを導入する

小売店が客単価を上げたいなら、ポイントカードやスタンプカードの導入が役立ちます。

お店にポイントカードを導入することによって得られるメリットを最大化するためには、ポイントカードの種類やそれぞれ得られるメリットを理解しておくことを推奨します。

大別するとポイントカードには「共通ポイントカード」と「独自ポイントカード」の2種類あります。

共通ポイントカード
  • 共通ポイントカードとは自分のお店以外のお店でも利用可能なでもポイントカードのこと
  • 共通ポイントカードに加盟している店舗であれば業種や地域が異なっていても利用可能
  • TポイントやPontaポイント、楽天ポイント、dポイントなどが代表的
  • 携帯できるカードとスマホアプリの両方が用意されている場合が多い
独自ポイントカード
  • 独自ポイントカードとは、自分のお店のみで利用できるポイントカードのこと
  • 共通ポイントカードのように自分のお店以外でのポイント利用は不可
  • カードの仕様やデザインを自社で自由に決められる
  • 紙のスタンプカードやスマホアプリなどさまざまな提供形態がある

基本的には、現在あなたが経営しているお店の特徴によって、最適なポイントカードを選ぶべきだと思います。

もちろん共通ポイントカードのサービス会社が許す限り、両方のポイントカードを導入しても問題ありません。

それぞれのメリットとデメリットなどを整理してご紹介します。

項目 共通ポイントカード 独自ポイントカード
メリット
  • ジャンルが異なるお店でも共通ポイントカードのサービスに加盟していれば相互の送客が期待できる
  • 共通ポイントカードを使ってお得に買い物がしたいお客様を新規に獲得することが可能
  • 共通ポイントカードのサービス本部からの販促サポートやバックアップがある
  • 自社でポイント管理に伴う煩雑な作業を行う必要がない
  • 共通ポイントカードは独自ポイントカードに比べて利用者が多い
  • 発行するポイントは自店でしか使用できないため、顧客のリピート率アップや囲い込みに役立つ
  • 紙カードとスタンプがあればすぐに始められる
  • ポイントカードシステムの導入や運用にかかるコストが低い
  • カードのデザインやキャンペーンなどアイデア次第で自社で自由に設定できる
  • 来店頻度や客単価など詳細なデータを取得できるのでマーケティングに活用しやすい
デメリット
  • ポイントカードシステムの導入や運用にかかるコストが高い
  • コストをかけてポイントカードを導入しても、他の店舗にポイントを使われてしまう可能性がある
  • キャンペーンやイベント、ポイント還元率などが画一的で独自性を打ち出すことが不可能
  • 加盟店に共有される顧客情報は概要のみで、詳細な情報は運営会社によって管理される
  • 会員に対するポイントの付与や顧客管理など運用に伴う作業をすべてを自店のみで行わなければいけない
  • お店オリジナルの特典が無ければ、顧客がポイントカードを発行するメリットを感じにくい
  • すでにたくさんのポイントカードを財布に保持している人には面倒に感じてしまう
  • スマホアプリを新規に開発する場合には高コストが必要となる
最適なお店
  • 買回り品を販売しているお店
  • 扱っている商品で差別化できていない店舗
  • 新規顧客の獲得に苦戦しているお店
  • オリジナル商品を販売しているお店
  • 独自性のある特典やプレゼントを提供できるてんぽ
  • ブランド力を確立しているお店
不向きなお店
  • ポイントカードにコストをかけられない店舗
  • 詳細な顧客情報のデータを取得してマーケティングに活用したいお店
  • コンビニやスーパーなどオリジナル商品を販売していない店舗
  • フランチャイズやチェーン店

ポイントカードがあれば、新規のお客様にリピート来店してもらうための動機を提供することができますし、何よりもお得感を提供できます。

ポイントカードは名刺サイズのショップカードでもいいですし、スマホアプリとして提供することもできます。

さらにポイント2倍デーなどお客様の購買意欲を促進するキャンペーンを作るなど販促の施策を組み合わせると効果的です。

レジカウンターのスペースを広くする

レジカウンターのスペースを広くとることも、単価を上げる施策として有効です。

レジ周りをすっきりとさせてお客様がより多くの商品をカウンターの上に置けるようにすれば、一度に会計出せる商品の数が増えるためです。

要は、お客様にたくさん買っていいと思わせるためには、商品をたくさん置けるようにする必要があります。

お店が取り扱う商品のサイズにもよりますが、単価の高い大きな商品を買って欲しいと思うのであれば、レジカウンターは広くとるべきだと思います。

小売店オーナー小売店オーナー

大型キャッシュレジスターの機械と配線ケーブルがレジカウンターのスペースを占拠していて、解決策を探していました。

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タブレット端末さえあればレジ会計が行えるので、場所を取りません。またセルフレジも可能です。

レジ周りのスペースが整理整頓されていると、店員とお客様とのやり取りが落ち着いてできるようになるため、レジ会計時の接客もやりやすくなります。

タブレットで使えるPOSレジを使えば、レジ周りをすっきりをさせられます。

タブレットPOSレジは面積が狭いお店にこそおすすめめです。

また、カスタマーディスプレイとPOSレジを連携することも可能なので、スマホを1台テーブルに置いておけば会計金額やおすすめ商品情報をリアルタイムに表示することができます。

レジ前陳列を活用してついで買いを促進する

レジ前やレジ横スペースに商品を陳列して、お客様のついで買いを促進しましょう。

レジ前という場所は、気軽に商品を手に取りやすく、お客様が財布を手にし始める場所であるため、店内で最も購買意欲が高まる場所だと言われています。

またレジ前はついで買いや買い忘れの商品をお客様に訴求しやすい場所でもあります。

レジ前に陳列する商品は、安価で購入しやすい商品を置く方法が効果的です。

高単価商品の陳列をすると、お客様の消費者意識を逆なでしてしまい、逆効果になることもあるので注意しましょう。

店内の滞在時間を延ばす

店内の滞在時間を延ばすようにすることは、お客様の購買意欲を高めることにつながります。

店内に長時間滞在すると、自然と買い物モードに入り、気になる商品が増えたり興味が湧いてくると言われています。

またショッピングで足が疲れているお客様にドリンクを提供したり、店内で休憩してもらうことで、新しい気持ちでまた買い物を楽しんでもらえます。

以下にお客様の滞在時間を延ばす主な方法をご紹介します。

お客様の滞在時間を延ばす方法
  • 休憩スペースを設ける。ひと休みできるソファーやドリンクを用意して、買い物に疲れたお客様にリラックスして過ごしてもらう環境を用意する。(例:蔦屋書店)
  • サンプル品や試食を提供する。新商品や人気商品を実際に試せるイベントを開催することで、お客様に商品の味や使い勝手を体験してもらう。(例:東急ハンズ)
  • 商品の体験コーナーを設ける。コスメショップが鏡台を設けているように商品の体験コーナーを設置し、お客様に自由に商品を試してもらえる環境を提供する。(例:アットコスメストア、PLAZA)
  • 商品展示やディスプレイを工夫する。マネキンやガラスケースを置くなど展示を工夫して、商品を目立たせたり、お客様が商品を選びやすい環境を整える。(例:百貨店、セレクトショップ)
  • お店のレイアウトを複雑にする。わざと店内を迷路のように複雑にしたり、商品を雑多に陳列することによりお客様に宝探し感覚で買い物を楽しんでもらう。(例:ヴィレッジヴァンガード)
  • ディスプレイやデジタルサイネージを設置する。映画やアニメなどついつい見入ってしまうようなコンテンツを店内で流しておけば、お客様の興味を引くことができる。(例:ビックカメラなど電気量販店)
  • イベントやワークショップを開催する。店内でクラフト作りなどイベントやワークショップを開催することでし、お客様が楽しめる場を提供する。(例:トイザラズ、カードショップ)
  • 音楽や香りを活用する。店内で心地よいBGMや香りを使って快適な雰囲気を作り出し、お客様が五感を使って買い物を楽しめるようにする。(例:BODY SHOP)
  • お客様相談会を開催する。専門家やスタッフによる相談会を開催したり、サポート窓口を設置することで、お客様の疑問や関心を解消する。(例:パソコンショップ)
  • 季節やトレンドに合わせたテーマを設定する。季節やトレンドに合わせたテーマを設定し、関連商品を集めたコーナーを設置する。(例:真夏のひんやりグッズ特集コーナー)

家族やカップル向けの小売店の場合、お客様がおねだりされやすくする仕組みも効果的です。

例えばガチャガチャやカプセルトイのお店は、イオンモールの中でも足を止めやすい場所に立地していると考えられます。

もし滞在時間を延ばす戦略を採用するのであれば、店内スペースの広さには注意しましょう。

狭い店内でたくさんのお客様が長時間滞在してしまうと、顧客満足度が下がってしまう可能性があります。

季節やイベントに合わせてキャンペーンを開催する

小売店の経営を成功させるためには、クリスマスや年末年始など季節に応じたキャンペーンを実施して、販促活動を行うことが効果的です。

特に中長期的に集客数や客単価を上げるためには、年間のスケジュールが落とし込まれた「販促カレンダー」を用意すると便利だと思います。

販促カレンダーとは
  • 販促カレンダーとは、祝日や六曜だけでなく季節の行事や消費者の動向など、販促に役立つ情報が記載されたカレンダーです。
  • 飲食店向けや小売店向けなど業種別に特化したものから、汎用的に使えるものまでさまざまな種類が存在します。
  • 販促カレンダーを有効活用して、販促活動の年間計画を立てることで、消費者のニーズに合わせたビジネスが展開できます。

小売店の経営に役立つ月別のイベントや販促方法を以下にご紹介します。

店内の装飾やBGM音楽を季節ごとに変えたりするなど、1年を通じてお客様が買い物を楽しめるような工夫を施しましょう。

1月
  • 元日、成人の日、韓国旧正月、中国春節など
  • お正月や成人式のシーズンに合わせた初売りキャンペーンが有効
  • 韓国や中国からの外国人インバウンド対策も効果的
2月
  • 節分、バレンタインデー、受験シーズン
  • 小売店にとってバレンタインデーはクリスマスと並ぶ大きなビジネスチャンス
  • 受験生の応援グッズはプレゼントとしてよく売れる
3月
  • ひな祭り、ホワイトデー、引っ越しシーズン
  • 新生活や新社会人を迎える若本向け応援キャンペーンが有効
  • 引っ越しシーズンなので片付けや生活便利グッズが人気
4月
  • エイプリルフール、入社式、入学式、花見シーズン
  • 新社会人など4月から生活環境が変わる人に向けた新生活応援フェアが有効
  • お花見を楽しむための飲食物や便利グッズが人気
5月
  • ゴールデンウィーク、母の日、初任給、お出かけシーズン
  • 初任給のプレゼントや母の日プレゼントキャンペーンがおすすめ
  • 紫外線対策の商品など大型連休や屋外レジャーに関連した商品の販促が効果的
6月
  • 父の日、梅雨シーズン、結婚式シーズン
  • 母の日と同様に父の日ギフトは高単価を狙える販促イベントです
  • 雨の日限定メニューやジューンブライドに関連した販促が有効
7月
  • 七夕、海の日、土用の丑の日、夏祭りシーズン
  • サマーセールや夏のボーナスに連動した企画が効果的
  • お中元や夏ギフトは地域差があるため要注意
8月
  • 山の日、お盆、夏祭り、夏休みシーズン
  • 浴衣で来店キャンペーンなど夏を盛り上げるイベントが有効
  • 冷房対策や熱中症対策グッズの販促も欠かせません
9月
  • 防災の日、敬老の日、残暑、シルバーウィーク
  • 秋の大型連休に関連する商品やシニア層向けの販促キャンペーンが効果的
  • 防災グッズや整理整頓グッズの人気が高まる時期
10月
  • ハロウィン、運動会、学園祭シーズン
  • 毎年ハロウィンはコスプレやインテリア飾りつけなどグッズが人気に
  • 秋の運動会や学園祭の盛り上げグッズも欠かせません
11月
  • ブラックフライデー、サイバーマンデー、紅葉シーズン、いい夫婦の日
  • 近年浸透しつつあるブラックフライデーは小売店の稼ぎ時
  • 紅葉シーズンを楽しむための行楽グッズも人気に
12月
  • クリスマス、忘年会、冬休みシーズン
  • クリスマスは小売店の単価が最も上がるイベント
  • 冬のボーナスに合わせた高単価商品の販促活動もおすすめ

販促カレンダーは、インターネットに公開されている汎用的なものを使うのではなく、自分のお店の状況に合わせて独自にカスタマイズして利用するのが効果的だと思います。

小売店オーナー小売店オーナー

とはいえ、どのようにしてお店オリジナルの販促カレンダーを作ればよいのでしょうか?毎年お付き合いのある業者さんからカレンダーを頂くので、仕入れ予定日などをペンで直接書き込んで利用しています。

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お店オリジナルの販促カレンダーの作成をご検討しているなら、タブレットPOSレジのカレンダー機能をご活用ください。

タブレットPOSレジがあれば、オリジナルの販促カレンダーを誰でも簡単に作成することができます。

現場に合わせた販促計画を自由にカレンダーに入力することが可能ですし、最新の天気予報も表示できます。

またPOSデータから昨年の売り上げ実績を確認し、必要な仕入れ数や売上予測値を書き込むこともできます。

返品や交換を柔軟に受け付ける

返品や交換を柔軟に受け付ける戦略を採用すれば、売上アップや客単価の増加という成果をもたらすでしょう。

端的に言うと、返品や交換のルールを緩めることで、お客様が衝動買いしやすくなるのです。

特に洋服やアクセサリーなどの商品は、自宅にある他の洋服とコーディネートが合うかどうか分からないと不安を感じてしまい、最終的に購入に踏み切らないケースがよくあります。

商品の購入後に返品や交換ができるという安心感をアピールすれば、お客様の購買意識を高めることができます。

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そうはいっても、返品率が増えるのは困ります。返品処理も大変ですし、すぐにレシートを捨ててしまうお客様が多いのも事実です。

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これは通販番組やネットショップでよく活用されている消費者心理に基づくマーケティング手法です。

また返品ルールを緩和することは、リピート客の獲得(離反率の低減)にも効果があります。

お店で購入した商品が返品ができなかったりキャンセル手続きが複雑だったりすると、二度とこのお店では買い物しない、と嫌われてしまう可能性があります。

タブレットPOSレジの機能を使えば、どの商品やお客様に返品が多いのか、一目で把握することができます。

お店の返品率をチェックしつつ、返品ルールを緩和してみましょう。

ギフトラッピングサービスを提供する

小売店が客単価を上げるためには、プレゼント用のラッピングサービスを提供しましょう。

ギフトラッピングにはさまざまな種類やデザインがありますので、お店で販売している商品や客層に合わせて最適なものを選びましょう。

ギフトラッピングの主な種類を以下にご紹介します。

ギフトラッピングの主な種類
  • 包装紙:商品を包装紙でくるんでリボンやシールで閉じる包装方法。手間はかかるが、費用は比較的低く抑えられる。さまざまなサイズの商品を販売している雑貨屋でよく見られる方法です。
  • BOXタイプ:販売している商品の大きさが統一されている場合に使われる包装方法。前述の包装紙よりも費用が高くなります。時計や香水などによく使われます。
  • 袋タイプ:商品を包んで専用の袋に入れるだけの包装方法。主に持ち帰りやお手荷物として利用されます。ワインショップや洋服屋などでよく見かけます。

お客様に大切な方への贈り物として商品を買ってもらうことで、より多くの商品を手に取ってもらえるようになります。

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いままで1枚数円の手提げ袋がいるかどうかはレジ会計時に確認していましたが、ラッピングサービスの提供は考えていませんでした。。。

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素敵なラッピングサービスは小売店ならではのおもてなしサービスだと思います。季節によってラッピングの種類を変えるのも素敵ですね。

もし可能であれば無料と有料の2種類のラッピングサービスを用意することをおすすめします。

ラッピングサービスの無料と有料を使い分ける基準をご紹介します。

ラッピングサービスの無料と有料
  • 無料サービス:お客様が普段使いやカジュアルギフトとして利用しやすいように、シンプルなデザインなギフト包装にするのがするのが一般的です。1年を通じていつでも使える汎用的なデザインにしましょう。
  • 有料サービス:大切な人の誕生日やクリスマスなどの特別な記念日のプレゼントとして利用されます。中小規模の小売店であれば300円から500円程度が一般的な価格帯ですが、複数の価格帯を用意することも効果的です。

お店で販売している商品の種類にもよりますが、有償のギフト包装のサービスは小売店ならではのサービスだと思います。

ご自宅用としてのみ商品を販売していると、プレゼント用の商品を探しているお客様に販売する機会を損失することになりかねません。

大切な人へのプレゼントを探すならこの店、というように選んでもらえるようにお店のファンを作っていきましょう。

小売店が客単価アップに取り組む際の注意点

ここでは小売店が客単価を向上させる際に気をつけるべき注意点について説明します。

仕入れ価格と販売価格の差額で儲けるビジネスモデルを持つ小売店には、飲食業やサービス業など他業種とは異なる特有の注意点が存在します。

安易に安売りしない

小売店が客単価を上げようとする際に、すぐに思いつくのはやはり値下げによる販促だと思います。

ですがとりあえず値下げして売る、という間違った考え方は絶対にやめましょう。

一時的に集客力は上がるかもしれませんが、安易な値下げは失敗の原因になりかねません。

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それではどうやって集客をしたらよいのでしょうか?値下げせずに多くのお客様が集まるとはあまり思えないのですが。。。

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値下げすること自体を否定しているわけではありません。客単価を上げるためには他にもいろいろな施策があるので、あくまでも1つの手法という認識をしていただければと思います。

そもそも安売り目的でお店に来るお客様は、その値段の安さに魅力を感じています。

彼らは他店と価格比較をして、他に安いお店があればそちらのお店に行ってしまう傾向にあります。

もしAmazonや楽天などのネットショップのポイント値引き後の価格と比較されてしまったら、さすがに価格では勝てません。

【小売店向け】なぜPOSレジを活用すればお得意様が増えるのか

安易に安売りを連発してしまうと、お店のブランドや客層を汚してしまう可能性もあります。

たとえば高級路線の小売店が安易にセールをし過ぎてしまうと、商品の価値が下がったような消費者心理が働きかねません。

また消費者心理として値引き価格が普通の感覚になってしまうと、通常価格では商品を買う意欲がわかなくなってくるでしょう。

このような状態では、お店のことを気に入ってくれていた本当のお得意様も手放すことになりかねません。

お店が提供している価値を売る意識を大切にして、お店のファンを増やしていきましょう。

一度に買いすぎたと思わせない

お客様に一度で買い過ぎてしまった、と後悔の念を抱かせない、というのも重要なポイントです。

売り手側の立場からするとどうしてもあれもこれも買って欲しくなりますが、一度の買い物における購買点数を増やすことは、お客様に心理的な負担を増やすことにもつながりません。

小売店オーナー小売店オーナー

せっかくお客様がお店に来てくれたんだから、できるだけいろいろ手に取ってほしくなるんですよね。

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買いすぎた~っという顔をしてお店を出るお客様は、そのあとお店に再来店してくれなくなったりため注意が必要だと思います。

それに1人のお客様が手に持って帰れる荷物の量にも限界があります。

またお客様が自宅に戻ったときに、ご家族の方から買い過ぎと注意を受けないようなレベル感も大切していかなくてはなりません。

販売スタッフは、お客様に心理的な負担を感じさせないようなレベル感で商品の提案を行いましょう。

顧客満足度を高める

これは言わずもがなですが、やはり顧客満足度を高めることは忘れてはいけません。

安売りセールなど集客し一時的に客単価を上げられたとしても、もし万が一返品や商品の破損などがあった場合には、安売り狙いのお客様は必要以上にネガティブな口コミを拡散するかもしれません。

反対にていねいなおもてなし接客をしていて同様の事象が起きた場合には、適切にお店側に連絡して必要以上にネガティブに言いふらすようなことは無いと思います。

経営コンサルタントコンサルタント

これはPOSレジのツールの使い方や施策うんぬんではなく商売の考え方の話なので、お店を経営しているオーナー様ならお分かりいただけると思います。

小売店オーナー小売店オーナー

お店を経営するうえでは、お客様とのつながりがやはり大切ですよね。ネットショップではなくせっかく実店舗に来てくれたのだから買い物を楽しんでいただきたいです。。

客単価を上げようと躍起になって営業よりも、顧客満足度を上げようとした結果として、客単価が上がるということもあると思います。

経営の数字としては客単価を上げることも重要ですが、お客様の満足度向上のために必要な観点についてあらためて考えてみましょう。

まとめ

当記事では小売店が客単価を上げる方法についてご紹介しました。

タブレットPOSレジを導入すれば、売上や客単価のリアルタイムな数字を一目で把握できるようになります。

積極的に客単価を上げる施策を実行して、売上アップを実現しましょう。